ある時、隣の駅の近くの賃貸マンションが売りに出ているから見に行こうと突然誘われた。
全く興味ない話だが、しつこいし、夫が見たいと言い出して行くことになった。
なんのことはない。
不動産が現地で待っていた。
6軒か9軒か忘れたが、一棟丸ごと買ったらどうかと言うので驚いた。
自宅を買い換えたばかりで借金が増えて、これから子どもにお金もかかるのに、何を言い出すかと。
しかも満室だから中を見ることもできない建物を、駅から近いという条件と値段と外観だけで。
夫は乗り気になって、不動産のプロがいい物件って言うのだからと買おうぜなんて言っている。
冗談じゃない！
母はプロでもなんでもない。
物欲を満たしたいだけだ。
就職してすぐ背負わされた賃貸戸建てのことを思い出した。
ともかく要らないと強く断ると、あんなにいい物件はないのにと言われたけど、お金が本当にないんだよと断った。
えーアナタお金持ってないのー？
じゃあ弟に譲るよ！この話という。
どうぞどうぞと答える私。
弟はお金もってるんだ〜と嫌味のひとつも言ってみると、そうよ！頭金の2000万くらい持ってるわよ。
だそうだ。
ありえない！
弟は母がその5年くらい前に突然、私の家が欲しい！私だけの家。
って言って、いくら頭金にしたかは不明だが父名義で頭金入れて残りを弟がローン組んで払っているのだ。
母は無職で、ギャンブラーだから時々パチンコでウン十万とか手にしてるらしい生活だ。
よくも私だけの家と言ったもんだ。
夫の乗り気は放っておいて断固拒否した私はその後、弟はあのマンション買ったのか？と聞いてみたら、ああアレはゴニョゴニョと逃げてしまった。
また借金背負わされるところだった。
もう引っかからないけど。
