shaanmeもやもや毎日

もやもやした気持ち

アルバイト生活

短大を卒業して実家に戻ると、母は私のバイト先を決めてきていた。

地元の市役所の臨時職員として働くことが決まった。

職員さんは、みんな私に良くしてくれて、仲良くなるにつれて、旅行にも誘ってくれるようになった。

このままこんな生活でもいいとさえ思っていたけど、臨時職員なので、当時はこの仕事は4ヶ月とか産休代替で入っても職員さんが春に復帰するからこの期間と、部署が変わり、そんな生活は二年続いた。

当然一年目に地元や近隣市を受けたけど、不景気な時代でもあり、採用枠も少なくて、試験もちんぷんかんぷんで受からなかった。

臨時職員枠の部署が変われば知り合いも増えて、飲み会に参加させてもらったりして自分では何も困らなかった。

父は会社から言われて、健康保険の扶養から外したかったが、母が私には公務員以外は認めないと言って聞く耳を持たなかった。

二年目の試験の時に専門職の募集があり、短大卒業して資格を得ていた私は、採用枠が多いので、なんとか今回は入りたいと、試験対策問題集を真面目に解いてみた。

数学なんて全くわからないのでアタマの良い弟に聞いたら、スラスラと公式を書いてそれに当てはめれば解けるって言われたけど、その時点で数学は諦めた。

中学の時に方程式だけは解けたから、それに賭けると言ったら弟が無言になってしまった。

ところが試験では奇跡が起きて、方程式がいくつか出されたのだった。

そのうちのひとつは、途中で答えがx=2ってわかっちゃったのだが、式がもう一行必要なんだけど書けなくて、とりあえず答えを書いた。

実は国語は得意で、高校の時に国語と日本史だけは平均か、ちょっと上だった。

だから国語はほぼ完璧に解けたと自信があった。

英語もなんとかわかり、今回はもしかして…と期待していた。

結局運が良かったのだ。

ほとんどわかる問題が出たということで、一次試験は初めて合格した。

その頃は一次試験合格すれば、よっぽど変なことを言わない限り面接で落とされることはなく、今の時代では考えられないことだが、こんな私が合格できた。

やっと母に認めてもらえる日が来たのだった。

肩身の狭い毎日が少し良い方向に行くと思っていた。

 

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